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商工観光課でAIを試験導入する方法|観光・産業支援の業務効率化を小さく始める

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商工観光課では、観光振興・地域産業支援・事業者サポートなど多岐にわたる業務を日々行っています。近年は、AIを活用した業務効率化や観光データ分析のニーズが急速に高まっています。しかし「本格導入の前に、まずは小さく試したい」という自治体も多いのが現状です。本記事では、商工観光課がAIを試験導入する際に役立つポイントと、自治体向けAI導入支援サービスへの導線をまとめています。

シナリオ4:AIチャット × ローカルLLM(gemma)── 補助金実績報告書の点検と、事業者への補正依頼文の作成

補助金は、交付して終わりではありません。事業が終わった後、事業者から提出される実績報告書、領収書、見積書、施工前・施工中・施工後の写真を、職員が1点ずつ目視で点検します。「但し書きが『一式』になっている」「宛名が『上様』」「施工前の写真がない」「内訳の合計が合わない」――1文字・1円のズレも許されないため、監査前の時期は残業が常態化します。このシナリオでは、その点検をAIに下書きさせます。重要なのは、AIに「疑わせない」ことです。不備の大半は、書き方が分からなかったことによる善意の誤りだからです。扱うのは報告書と領収書の記載内容そのものですので、外部送信のないローカルLLM(gemma)を使います。

手順 49:新しい会話を開始

シナリオ3とは別の工程を扱うため、新しい会話として始めます(左サイドバーの「+ 新しい会話」からいつでも切り替えられます)。会話ごとに参照する資料とモデルを変えられるので、案件が混ざる心配がありません。実績報告の点検は、事業者1件ごとに独立した処理です。会話を分ける運用を課内のルールにしてください。別の事業者の売上や領収書の情報が同じ会話に混ざることは、絶対に避けなければなりません。

手順 50:ローカルLLM(gemma)を選択

「ローカル (Ollama): gemma3:4b」(赤枠)を選びます。ここで扱うのは、事業者名・代表者名・所在地・電話番号・領収書の発行事業者・工事の金額・交付額という、事業者情報と財産情報が一体になった書類そのものです。外部送信のないローカルLLM以外の選択肢はありません。この一点だけでも、ローカルLLMを庁内に用意しておく意味があります。クラウドAIしか使えない環境では、商工観光課の最も重い業務でAIを使うという選択肢そのものが、最初から消えてしまいます。

手順 51:実績報告書の点検・補正依頼の型を選択

「定型プロンプト」から『【商工観光課】補助金実績報告書の点検と事業者への補正依頼文の作成(ローカルLLM専用)』(赤枠)を選びます。領収書、見積書、施工前中後の写真を、1点ずつ目視で点検する――「但し書きが一式になっている」「宛名が上様」「施工前の写真がない」といった、1文字・1円のズレも許されない確認作業が、商工観光課の残業の大きな原因です。型を配ってしまえば、誰が点検しても同じ7項目・15事例の観点で確認できます。担当者が変わると点検の厳しさが変わるという、事業者から見て最も納得しにくい状態も解消されます。

手順 52:参照する知識ファイルの欄を開く

「📎 この会話で参照する知識ファイルを追加」(赤枠)をクリックして開きます。指定するのは、シナリオ1で登録した内部基準のうち第5「実績報告書の点検基準(7項目)」第6「領収書の点検基準」第7「施工前・施工中・施工後の写真の点検(7観点)」第8「不備 頻出15事例」です。ベテラン職員が経験で身につけてきた「ここを見落とすと監査で指摘される」という観点を、文書化してAIに持たせています。

手順 53:キーワードで資料を検索

検索欄(赤枠)に「補助金」と入力して絞り込みます。この資料は「所属(指定部署のみ)」で登録しているため、商工観光課の職員以外の検索結果には表示されません。点検の着眼点と審査の配点が外に出れば、形式だけを整えた申請を招きます。

手順 54:参照する資料を選択

『商工観光課 中小企業・商店街支援補助金 交付事務取扱要領』(赤枠)を選びます。「但し書きが一式のみ」「宛名が上様」「施工前の写真がない」「見積書と領収書の金額が違う」といった頻出の不備が、要領の事例番号と対応づけて指摘されるようになります。

手順 55:型に実績報告書一式の内容を貼り付けて入力

入力欄(赤枠)に、型と、窓口で受け付けた実績報告書一式の内容を貼り付けます。ここで用意した書類は、実際に窓口へ提出される状態に近いものにしてあります。内訳の合計692,880円が合計欄の703,000円と10,120円合わない、内装工事の領収書の但し書きが「内装工事一式として」、看板の領収書の宛名が「上様」で但し書きが「品代として」、看板の見積り120,000円に対し領収書が148,000円(差額28,000円の説明なし)、ショーケースの領収書の日付が交付決定日の8日前、しかも中古品、振込手数料880円が計上され、2社目の見積りも理由書も無く、施工前と施工後の写真の撮影方向が違い、看板の写真が接写のみで全景が写っていない、完了届の日付欄が空欄――このすべてが、そのまま額を確定すれば監査で指摘される論点です。そして代表者は72歳、「書き方が分からず、息子さんに電話で聞きながら書いた」「これで合うとりますか」と窓口で3回確認しています。※ 事業者名・氏名・所在地・金額・事業者名はすべて架空のダミーデータです。

手順 56:送信ボタンをクリック

送信ボタン(赤枠)をクリックします。

手順 57:AIが回答を作成中(ローカルLLM)

AIが交付事務取扱要領を読み込みながら、不備の一覧と補正依頼文を作成します。入力した内容は職員のPCの中だけで処理され、庁外へ送信されません。

手順 58:ローカルLLMの回答(不備一覧と要領の該当事例)

ローカルLLM(Ollama / gemma3:4b)が、提出書類の不備を一覧にしました。「No」「書類名」「該当箇所」「不備の内容」「要領の該当事例」「対応」の6列で、額の確定に直接影響するもの(対象外経費・金額の不一致)が先頭に並びます。振込手数料の計上(事例5)、交付決定日より前の領収書(事例3)、但し書きが「一式」(事例1)、宛名が「上様」(事例2)、見積書と請求書の金額の相違(事例11)、見積書が1社のみ(事例10)、施工前後の撮影方向の相違(事例8)などが、要領の事例番号と対応づけて示されます。目視での点検は、1件目は丁寧でも20件目には必ず精度が落ちます。

手順 59:ローカルLLMの回答(金額の検算)

内訳の合計と報告書の合計欄が1円単位で突き合わされます。この事例では内訳の合計692,880円に対し合計欄が703,000円と10,120円食い違っており、その差額が明示されます。さらに対象外となる経費(振込手数料880円、中古品かつ交付決定前のショーケース24,000円)を控除した対象経費額が求められ、補助率3分の2を適用した交付見込額が、計算過程つきで示されます。上限50万円で頭打ちになるかどうかも判定されます。「電卓を2回叩いて、それでも不安で3回目を叩く」という作業が、検算の下書きとして自動化されます。最終的な確認は必ず職員が行いますが、ゼロから計算するのと、示された計算を検算するのとでは、負担がまったく違います。

手順 60:ローカルLLMの回答(判断に迷う点と、照会すべき事実)

このシナリオで最も重要な出力がここです。施工前の写真に撮影日時のデータが無いこと、看板の領収書が見積りより28,000円高いこと、ショーケースの領収書が交付決定日より前であること――これらは着手時期や水増しを疑わせる所見ですが、型の厳守事項に「疑う表現を出力しない。事実の照会にとどめる」と指定してあるため、AIは断定せず、照会すべき事実と文面案だけを示します。実際、添え書きの鉛筆メモには「引戸の下の木が腐っとるのが分かって、そこも直してもろた」とあり、増額には合理的な説明がつく可能性があります。疑いの判断は係長が行うものであり、AIにさせてはいけません。

手順 61:ローカルLLMの回答(電話確認の読み上げ文と、不足書類チェックシート)

最後に、事業者へ電話する際の読み上げ文が出力されます。要領第9の順序(名乗り→受領の礼→確認したい点→どうすればよいか→連絡先と時間帯)に従い、「間違っています」ではなく「一点、確認させてください」の言い方になっています。そして「朝は仕込みで手が離せない」という申告を踏まえ、つながりやすい時間帯を聞き取る一文が入ります。補助金の書類は、事業者にとって「疑われた」と感じやすいものです。電話のかけ方ひとつで、以後の相談のしやすさが変わります。併せて、郵送する不足書類チェックシートが出力されます。但し書きの直し方は、良い例「架空製カウンター天板 1台」/悪い例「内装工事一式」という具体例つきで示されます。額の確定と返還の決定は行政処分です。AIの出力をもって決定としてはなりません。

手順 62:回答をコピー・WordExcelで書き出す

回答の下の「📋 コピー」「Word」「Excel」(赤枠)から書き出せます。不備一覧はExcelで書き出して点検票と補正の進捗管理に、不足書類チェックシートはWordで書き出して郵送に使えます。書き出したファイルの保管は、貴庁の情報セキュリティポリシーに従ってください。事業者の個人情報と財産情報を含むファイルですので、処理後は速やかに削除する運用を課内で定めてください。

このシナリオの操作記録

• 🎬 操作動画(MP4):04_AIチャット_補助金実績報告書の点検_ローカルLLM_20260815_174206.mp4

• 🎬 操作動画(WebM/元データ):04_AIチャット_補助金実績報告書の点検_ローカルLLM_20260815_174206.webm

• 🖼 操作GIF:04_AIチャット_補助金実績報告書の点検_ローカルLLM.gif

入力したプロンプト全文(コピーしてお使いいただけます)

あなたは架空市商工観光課で、補助金の実績報告の点検を担当する職員です。

添付の「架空市商工観光課 中小企業・商店街支援補助金 交付事務取扱要領」

第5(点検基準7項目)、第6(領収書の点検基準)、第7(写真の点検7観点)及び

第8(不備 頻出15事例)を基準として、

下記の実績報告書一式の内容を点検してください。

【出力してほしいもの(この5点を必ずこの順で出力する)】

1. 不備一覧

   ・「No」「書類名」「該当箇所」「不備の内容」「要領の該当事例」「対応」の6列の表にする。

   ・対応は「本人に電話で確認」「書類の再提出を求める」「対象外として減額」

     「係長協議」から選ぶ。

   ・額の確定に直接影響するもの(対象外経費・金額の不一致)を先頭に並べる。

2. 金額の検算

   ・内訳の合計と報告書の合計欄を1円単位で突き合わせ、差額があれば明示する。

   ・対象外の経費を控除した後の対象経費額を求め、

     補助率を適用した交付見込額を計算し、計算過程をすべて示す。

   ・上限額を超える場合は、上限額で頭打ちになることを明示する。

3. 判断に迷う点(推測で処理してはいけない事項)

   ・善意の誤りか不適正かを、この段階で断定しない。

   ・照会すべき事実と、照会の文面案を挙げる。

   ・特に、施工前の写真がない場合・領収書の日付が交付決定日より前の場合は、

     着手時期に関わる重要な論点として独立させる。

4. 事業者へ電話で確認する際の読み上げ文

   ・要領第9の順序(名乗り→受領の礼→確認したい点→どうすればよいか→連絡先と時間帯)に従う。

   ・「間違っています」「不備があります」という言い方を絶対に使わず、

     「一点、確認させてください」の形にする。

   ・1回の電話で確認するのは3点までとする。

   ・**相手は日中、接客又は作業をしている**前提で、

     つながりやすい時間帯を必ず聞き取る一文を入れる。

5. 郵送する「不足書類チェックシート」

   ・何を、いつまでに、どこへ提出すればよいかを、チェックボックス形式で書く。

   ・領収書の但し書きを直してもらう場合は、

     **良い例と悪い例を具体的に併記する**(要領第6(2))。

   ・大きい文字で印刷する前提の、簡潔な文にする。

【厳守事項】

・要領に定めのない基準を、絶対に作り出さない。

・不適正な請求を疑う表現を出力しない。事実の照会にとどめる。

 疑いに関する判断は、必ず係長が行う(要領第13(3))。

・事業者名・店名を、必要のない箇所で繰り返さない。

・撮影日時のデータが無いことをもって、直ちに不備と断定しない(要領第7(7))。

・この型は領収書・見積書・契約書の記載内容そのもの(事業者情報)を扱うため、

 必ず「ローカル (Ollama)」のモデルで使用すること。

【実績報告書一式の内容】

【実績報告書一式の内容 受付番号 R08-0147 1月23日 窓口受付】

■ 補助金の名称

 架空市店舗リニューアル支援補助金(補助率 3分の2・上限50万円)

■ 申請者

 事業者名 架空みどり堂

 代表者  架空 みどり(かくう みどり、72歳)

 所在地  架空市架空町2丁目(架空銀座商店街内)

 業種   和菓子製造小売(創業58年)

 電話   000-000-0000(店舗)

 ※本人からの申告「昼間は店に出とるけど、朝は仕込みで手が離せません」

■ 交付決定の内容

 交付決定日   令和8年9月18日

 決定した事業  店舗正面の改装(引戸のバリアフリー化、内装の一部改修)及び

         店舗看板の掛け替え

 補助対象経費  645,000円

 交付決定額   430,000円

■ 実績報告書(本人の手書き)の記載

 事業の完了日  令和8年12月20日

 支出した額   合計 703,000円 と記載

  内訳として書かれていたもの

    1 店舗改装工事                520,000

    2 看板製作及び取付              148,000

    3 厨房用ショーケース              24,000

    4 振込手数料                   880

    (合計欄には 703,000 と記入)

■ 添付されていた領収書

 (ア)架空建設株式会社 令和8年10月3日 520,000円

    宛名「架空みどり堂 様」 但し書き「内装工事一式として」

 (イ)架空看板工業株式会社 令和8年12月14日 148,000円

    宛名「上様」 但し書き「品代として」

 (ウ)架空冷機商会株式会社 令和8年9月10日 24,000円

    宛名「架空みどり堂 様」 但し書き「中古ショーケース1台」

 (エ)振込手数料の控え 880円

■ 添付されていた見積書

 ・架空建設株式会社 令和8年8月25日 520,000円(内装工事一式)

 ・架空看板工業株式会社 令和8年11月2日 120,000円(看板製作・取付)

   ※領収書は148,000円。差額28,000円の経緯についての記載は無い。

 ・2社目の見積り     → 添付なし。理由書も添付なし。

■ 添付されていた写真

 ・施工前     1枚(店舗正面。撮影日時のデータなし。プリントを貼付)

 ・施工中     2枚(内装。令和8年10月11日 と手書き)

 ・施工後     3枚(店舗正面2枚、看板1枚。令和8年12月20日 と手書き)

   ※施工前の写真は店舗を斜め左から、施工後の写真は正面から撮られている。

   ※看板の写真は看板部分の接写のみで、掲出後の全景が写っていない。

■ その他

 ・完了届の日付欄が空欄のまま。

 ・実績報告書の押印はあり。

 ・添え書きに「工事の途中で引戸の下の木が腐っとるのが分かって、

  そこも直してもろたので、はじめの見積りより少し高うなりました」

  と鉛筆書きのメモが挟まっていた(看板ではなく工事についての記載か、

  どちらを指しているかは不明)。

 ・窓口で「これで合うとりますか」と3回確認された。

  書類の書き方が分からず、息子さんに電話で聞きながら書いたとのこと。

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