週1回のゼミ、月2回の定例会、不定期のインタビュー。
録音を聞き直して議事録にする作業が、気づけば週2時間を超えていませんか。しかも録音は外部サービスに上げられない。
この記事では、ローカルAI構築キットで作れる音声議事録機能を使って、60分の録音から4構成の議事録をPC内だけで作る流れを実演し、所要時間の目安と精度を上げるコツを紹介します。
議事録に週2時間かけるのをやめる|録音を外に出さずに「要約・決定事項・ToDo・発言要旨」を自動生成する実演
1. 議事録が「誰もやりたくない仕事」になる理由
議事録は、書く人の時間を一番食う割に、評価されにくい仕事です。理由は3つあります。
- 録音を聞き直す時間が、会議時間と同じだけかかる
- クラウドの文字起こしサービスは便利だが、録音を外に出す許可が下りない
- 書く人によって粒度も構成もバラバラで、後から探せない
ローカルAI構築キットで作れるアプリの「🎙️ ローカル音声議事録」タブは、この3つをまとめて解決するために入れた機能です。
2. 解決の方針:聞き直さない、送らない、型を固定する
- 聞き直さない: faster-whisperが文字起こしをする。人は結果を読んで直すだけ
- 送らない: 文字起こしも議事録生成もPC内。録音ファイルはアップロード先が存在しない
- 型を固定する: 議事録は必ず「要約 / 決定事項 / ToDo・ネクストアクション / 発言要旨」の4構成。誰が作っても同じ形
3. 実演:架空ゼミ60分の録音を議事録にする
以下はキット同梱のプロンプトが自動生成した操作マニュアルの流れです。使っている録音は、Windows標準の音声合成で作った「架空ゼミの定例ミーティング」で、人物・組織はすべて架空です。
- タブを「🎙️ ローカル音声議事録」に切り替える
- Whisperモデル(base)、言語(日本語)、議事録生成モデル(PC内のOllamaモデル)を選ぶ
- 録音ファイル(mp3 / wav / m4a / mp4など)をアップロード
- 「🎧 文字起こしを実行」を押す。進捗バーが進み、完了すると「N セグメント / 再生時間 / 言語」が表示される

- 文字起こし結果を「タイムスタンプ付き」で確認し、固有名詞の誤りをその場で修正
- 「🧾 議事録を自動生成」を押す
- 「整形済み議事録」が表示されたら、タイトルを付けて
.docxでダウンロード

4. 出てきた議事録の中身
架空ゼミの録音から生成された議事録は、おおむね次の形でした(内容はすべて架空です)。
- 要約: 架空の発電効率化レポートの最終チェック、来月の学会発表の担当、新しい実証サイト候補の3議題を扱った
- 決定事項: レポートの限界点の章に「積雪期のデータが無い」ことを明記する。学会発表は仮想未来子が担当
- ToDo / ネクストアクション: 架空太郎 / 限界点の章の修正 / 来週金曜。仮想未来子 / スライド初稿の共有 / 10日後。空想一郎 / 2サイトの気象データ収集 / 次回まで
- 発言要旨: 議題ごとの要点
ポイントは、生成プロンプトが「文字起こしに書かれていない内容を推測で補わない」「不明瞭な箇所は(聞き取り不明)と明記する」を厳守事項にしていることです。盛らない議事録なので、そのまま配れます。
5. 所要時間の目安(CPUのみ / GPUあり)
環境差が大きいので目安として読んでください。
- 文字起こし: CPUのみのノートPCでWhisper baseなら、録音時間より短い時間で終わるのが一般的です。固有名詞重視でsmallにすると数倍かかります。NVIDIA GPUがあれば自動でCUDAを使い、大幅に短縮されます
- 議事録生成: 4Bクラスのモデルなら数十秒〜数分
- 人の作業: 文字起こしの手修正と、生成結果の確認で5〜10分
録音を聞き直す2時間が、確認の10分に変わる、というのが現実的な期待値です。
6. 精度を上げる3つのコツ
- 固有名詞だけ直す。全文を完璧にする必要はありません。議事録に出てほしい人名・プロジェクト名・数字を直せば、生成結果は見違えます
- 固有名詞が多い会議はWhisperをsmall以上に。待ち時間と引き換えに誤認識が減ります
- 長い録音は分けて読み込む。進捗が読みやすく、失敗したときのやり直しも小さく済みます
7. 議事録の型を自分の組織に合わせる
4構成が合わないなら、変えられます。参照用コードの audio_transcriber.py にある議事録プロンプトを書き換えるか、キットのアプリ構築プロンプトの「タブ2」の要件を自分の書式に変えてClaude Codeに再構築させてください。たとえば「出席者」「次回日程」のセクションを足す、ToDo表の列を増やす、といった変更です。
8. 始め方
キットの参照用コードをそのまま起動すれば、この機能はすぐ使えます。必要なのは Python 3.10〜3.12、Ollama、議事録生成用のモデル1つ(例: ollama pull gemma3:4b)です。Whisperモデルは初回実行時に自動でダウンロードされます。

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