DX推進課では、住民サービスの向上や業務効率化を目的にAI導入を検討する自治体が増えています。しかし「本格導入の前に、まずは小さく試したい」「予算や人員を確保する前に、効果を確認したい」という声も多く聞かれます。そこで本記事では、自治体がAIを安全かつ効率的に試せる“お試し用AIシステム”の活用方法と、検証を支援する副業サービスについて紹介します。
シナリオ4:AIチャット × Claude Code(ネット接続)── ベンダー見積2者を査定し、現場の曖昧な要望を仕様へ落とす
小・中規模自治体のDX予算は限られています。ベンダーから届いた見積が高いと感じても、根拠を示せなければ交渉になりません。一方、現場から上がってくる要望書は「使いやすく」「今と同じで」「柔軟に」といった言葉ばかりで、そのままでは仕様書になりません。この2つの板挟みを、1回のやり取りで処理します。扱うのは商取引情報と要望書で個人情報を含まないため、計算と長文の突き合わせに強いネット接続のClaude Codeを選びます。参照させるのは、シナリオ1で「所属(指定部署のみ)」として登録した庁内限りの査定基準です。
手順 48:新しい会話を開始
シナリオ3とは別の相談を行うため、新しい会話として始めます(左サイドバーの「+ 新しい会話」からいつでも切り替えられます)。会話ごとに参照する資料とモデルを変えられるので、「個人情報の点検はローカル、見積の査定はクラウド」といった使い分けを会話単位で行えます。

手順 49:Claude Code(ネット接続)を選択
今回扱うのは事業者から提示された見積と、市民課からの要望書です。個人情報も未公表の政策情報も含まず、金額の計算と長文の突き合わせが必要なため、高性能なクラウドAI「Claude Code (定額プラン): sonnet」(赤枠)を選びます。定額プランのCLI認証で動いており、何件査定しても追加の従量課金は発生しません。「AIの利用料が読めない」という財政部局の懸念に対して、定額であることは強い説得材料になります。※ 秘密保持契約の対象となっている技術情報が含まれる場合は、ローカルLLMへ切り替えてください。

手順 50:庁内限りの調達ガイドラインを検索
検索欄(赤枠)に「調達」と入力し、シナリオ1で「所属(指定部署のみ)」として登録した内部基準を絞り込みます。この資料はDX推進課(情報政策課)の職員にしか表示されません。査定単価という交渉上の手の内を、庁内の他部署にも広げずに済みます。

手順 51:参照する資料を選択
『情報システム調達ガイドライン 兼 RFP作成要領・ベンダー見積査定基準』(赤枠)を選びます。AIはこの基準に書かれた人月単価の上限目安・諸経費率・保守料率と見積を突き合わせて査定します。ベテラン職員の頭の中にしかなかった「相場観」を、文書化してAIに持たせることで、担当者が代わっても同じ水準の査定ができます。

手順 52:見積2者と現場の要望書を貼り付けて指示
入力欄(赤枠)に、事業者2者の見積と、市民課から届いた要望書をそのまま貼り付け、作ってほしい成果物を6点書きます。見積Aは構築型(初期2,098万円+2年目以降の保守420万円)、見積Bはサービス利用型(初期227万円+年額360万円)で、単純な金額比較では判断できない形にしてあります。要望書のほうは「使いやすい」「今と同じ」「大量の」「柔軟に」といったそのままでは仕様書にならない言葉だらけです。※ 事業者名・金額・要望内容はすべて架空のダミーデータです。

手順 53:送信ボタンをクリック
送信ボタン(赤枠)をクリックします。

手順 54:AIが回答を作成中(Claude Code)
Claude Code は定額プランのCLI認証で動作します。内部基準と2者の見積を突き合わせ、5年間の総額を計算するため、数十秒〜数分かかります。

手順 55:2者の比較表と5年総額(TCO)
Claude Code(定額プラン・sonnet)が、2者の見積を項目ごとに比較し、5年間の総額(TCO)を計算過程つきで示しました。初期費用だけを見ると10倍近い差がありますが、保守料と年額利用料を5年分積み上げると評価が変わります。「初年度保守無償」の見積が本当に安いのかを、その場で検算できます。

手順 56:査定所見(内部基準の上限目安との突き合わせ)
続きの部分です。人月単価・諸経費率(22%)・保守料率(初期費の約20%)が内部基準の上限目安を超えている箇所と、その超過額が表で示されます。「一式」表記の項目についても内訳の提出を求めるよう指摘されます。根拠のある値下げ交渉ができるようになり、「高い気がする」という感覚での交渉から抜け出せます。
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手順 57:現場の曖昧な要望の具体化と、RFPへの追記項目
最後に、市民課の要望書のうち仕様書にできない記述が「原文/何が曖昧か/市民課へ確認する質問文」の3列で整理され、内製化の可否と、RFPに追記すべき非機能要件・移行要件が示されます。現場に何を聞き返せばよいかが質問文の形で出てくるため、「上がってきたシステムが現場のニーズと違う」という最大の失敗を予防できます。

手順 58:回答をコピー・WordExcelで書き出す
「Word」「Excel」ボタン(赤枠)で回答を書き出せます。比較表はExcelで書き出せば審査委員会の資料に、確認事項の一覧はWordで書き出せばそのまま事業者への質問状の下敷きになります。AIの査定結果は交渉の準備資料であり、最終的な判断は必ず職員が行ってください。

このシナリオの操作記録
• 🎬 操作動画(MP4):04_AIチャット_ClaudeCode_20260811_104003.mp4
• 🎬 操作動画(WebM/元データ):04_AIチャット_ClaudeCode_20260811_104003.webm
• 🖼 操作GIF:04_AIチャット_ClaudeCode.gif

入力したプロンプト全文(コピーしてお使いいただけます)
あなたは架空市DX推進課で情報システムの調達審査を担当する職員です。
市民課から窓口混雑可視化システムの導入要望が上がり、事業者2者から見積が届きました。
本市の内部基準(添付の「情報システム調達ガイドライン 兼 RFP作成要領・ベンダー見積査定基準」)に
照らして査定し、次の6点を作成してください。
【見積書A】架空システム株式会社 窓口混雑可視化システム構築業務
1 要件定義 PM 1.0人月+SE上級 2.0人月 340万円
2 基本設計・詳細設計 SE上級 2.0人月+SE中級 2.0人月 370万円
3 開発・単体テスト PG 6.0人月 480万円
4 結合テスト・総合テスト SE中級 1.5人月 128万円
5 データ移行 一式 260万円
6 導入研修・マニュアル作成 一式 150万円
7 諸経費 直接人件費の22% 370万円
初期費用合計 2,098万円
年間保守(初年度無償、2年目以降) 420万円/年
備考 初年度の保守は無償とする。オプション機能一式は別途見積とする。
【見積書B】架空ソリューションズ株式会社 窓口混雑可視化サービス利用契約
1 初期設定作業 SE中級 1.5人月 128万円
2 既存データ取込(3万件) SE中級 0.5人月 43万円
3 職員向け操作説明会(2回) SE中級 0.3人月 26万円
4 諸経費 直接人件費の15% 30万円
初期費用合計 227万円
年額サービス利用料(5窓口・職員100名まで) 360万円/年
備考 法改正に伴う改修は年額利用料に含む。窓口の追加は1窓口あたり年48万円。
【市民課からの要望書(原文のまま)】
・窓口が混んでいるのが分かるようにしてほしい。
・今と同じ運用のままで、使いやすいものにしてほしい。
・大量の待ち人数を柔軟に管理できるとよい。
・住民記録システムと連携してほしい。
・タブレット等で見られるようにしてほしい。
(市民課 窓口係 担当者 架空 次郎)
【作成してほしい成果物】
1. 2者の比較表(初期費用/5年間の総額(TCO)/保守の考え方/法改正対応の扱い/
拡張時の費用/本市が負う運用負担)を表形式で。5年TCOは計算過程も示すこと。
2. 見積Aの査定所見。内部基準の第5に定める上限目安(人月単価・諸経費率・保守料率)と
突き合わせ、超過している項目と超過額を表で示すこと。
3. 事業者への確認事項・値下げ交渉の論点(各項目について、どの基準を根拠に、
何を尋ねるかを具体的な質問文の形で)。
4. 市民課の要望書のうち、このままでは仕様書にできない曖昧な記述の一覧。
内部基準の第4に沿って、「原文/何が曖昧か/市民課へ確認する質問文」の3列で整理すること。
5. 内製化(Python等)の可否。内部基準の第6の4要件それぞれについて、
現時点で判断できるもの・情報が足りないものを分けて示すこと。
6. RFPに追記すべき非機能要件・移行要件・運用保守要件の項目案。
【厳守事項】
・金額の計算は、計算式を必ず併記してください。
・内部基準に記載のない事項について断定せず、「基準に定めなし。DX推進課で協議」と明示してください。
・事業者名・金額・要望内容はすべて架空のダミーデータです。
【地方自治体向け】一緒にAI導入支援に挑戦しませんか?



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